TAMBOは不動産を投資対象とした不動産特定共同事業法に基づくクラウドファンディングサービスですが、そもそも「クラウドファンディング(Crowdfunding)」とはどのようなものなのでしょうか。その特徴や種類について説明いたします。
クラウドファンディングの種類やしくみにより投資リスクが異なりますので、十分に理解して投資判断を行うことが重要になります。
クラウドファンディングの特徴
クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組合せた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人々から少額の資金を集める仕組みです。モノ・サービスや問題解決のアイデアをもつ個人や法人による、プロジェクトやイベント、商品の開発などの資金調達のために利用されます。
クラウドファンディングの主な特徴は次のとおりです:
- インターネット上のプラットフォーム: クラウドファンディングは、専用のウェブサイトやプラットフォーム上で行われます。そこでプロジェクトの説明や目標金額、支援者へのリターンなどが公開されます。
- 資金提供者の広範な参加: 少額の寄付や投資を行う個人や団体が、プロジェクトを支援します。これにより、一般の人々もプロジェクトの実現に貢献できます。
- 様々なプロジェクトの支援: クラウドファンディングは、アート、音楽、映画、テクノロジー、ビジネス、チャリティーなど、さまざまな分野のプロジェクトに利用されます。
- リターンの提供: 支援者は、一般的にプロジェクトの成功に応じて特典や報酬を受け取ることができます。これは、プロジェクトが成功すれば製品やサービス、特別なアクセスなどを受け取るという形で行われることが一般的です。
- リスクの共有: クラウドファンディングは、プロジェクトを支援する際に、支援者が一定のリスクを負うこともあります。プロジェクトが失敗した場合、支援者は投資した資金を失う可能性があります。
クラウドファンディングは、伝統的な資金調達方法に比べてより柔軟で、イノベーションを促進する役割を果たしています。しかし、プロジェクトの成功は支援者の信頼とプロジェクト運営者の能力に依存するため、成功するためには十分な計画と実行力が必要です。
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングには主に「寄付型」、「購入型」、「融資型」、「株式投資型」、「ファンド型」の5つの種類があります。
① 寄付型
寄付型クラウドファンディングは、社会的な問題やチャリティー活動、災害支援に対する支援や、難病などの困難を抱える個人への援助を可能にする手段として広く利用されています。支援者は寄付の対価として特別なリターンや報酬を期待せず、自らの善意や社会貢献の意図から寄付を行います。
② 購入型
購入型クラウドファンディングは、クリエイティブなプロジェクトや新しい商品の開発に資金を提供するための効果的な方法として利用されています。支援者は自分のお気に入りのプロジェクトや商品をサポートすることで、新たなイノベーションやアイデアの実現を支援することができます。プロジェクトが成功した場合、支援者は通常、製品やサービスの先行予約を行うことができます。
③ 融資型
融資型クラウドファンディングは、「ソーシャルレンディング」や「貸付型クラウドファンディング」とも呼ばれ、伝統的な銀行融資や投資家からの資金調達が困難な場合の代替的な資金調達手段として、特にスタートアップ企業や小規模企業にとって有益な手段として注目されています。融資型クラウドファンディングでは、支援者がプロジェクトや企業に対して融資を行います。この融資は一般に返済され、返済期間や利子率は事前に取り決められます。したがって、支援者は将来的な返済額を期待することができます。また、支援者が提供した融資に対して利子が支払われることが一般的です。これにより、支援者は資金を提供するだけでなく、投資から利益を得ることができます。
融資型クラウドファンディングでは、第二種金融商品取引業等及び貸金業者の登録事業者であるソーシャルレンディング会社(仲介事業者)により、融資先企業の借入金を返済する能力に関する信用評価が行われます。これにより、支援者はリスクを評価し、借り手の信用力に基づいて投資を行うことができます。
「融資型」とはいっても、支援者から融資先企業に直接融資するわけではありません。日本では「貸金業法」により、個人による融資(貸付)に制限があるため、融資であるのはクラウドファンディング会社から融資先企業に対する資金提供の部分だけであり、支援者からクラウドファンディング会社への資金提供の部分は融資ではなく「出資」になります。したがって、クラウドファンディング会社からの利益分配は確定利息ではないため変動する可能性があり、また、出資元本の保証もありませんので注意が必要です。融資先の返済が滞った場合には、支援者は直接融資先と交渉することができず、クラウドファンディング会社に資金回収を任せる必要があります。
④ 株式投資型
株式投資型クラウドファンディングは、株式会社が行う資金調達の一つで、従来はベンチャーキャピタルなどでしか資金調達できなかったベンチャー企業が、個人投資家へ未公開株を提供する代わりに資金を募る仕組みのクラウドファンディングです。支援者は支援企業の株主となり、投資した資金に対して将来的なリターンを期待します。プロジェクトや企業が成功し、成長することにより、支援者は株式価値が上昇したり、配当を受け取ることができます。投資したベンチャー企業のIPO(株式上場)や第三者への売却が成功した場合には、大きなリターンが得られることも期待できます。
ただし、株式投資型クラウドファンディングによる資金提供は「出資」であるため、元本が保証されておらず、配当も約束されていません。仲介事業者は第一種金融商品取引業者または第一種少額電子募集取扱業者の登録事業者である必要があります。
⑤ ファンド型
ファンド型クラウドファンディングは、企業が集団投資スキーム(組合等)・信託・法人などの法律形態に基づき組成した特定の事業目的のためのファンドの資金調達手段としてクラウドファンディングのしくみを利用したものです。支援者は、匿名組合契約などのファンド契約に基づき、事業により得られた利益のリターンを得ることができます。
ファンド型クラウドファンディングによる資金提供も、株式投資型と同様に「出資」であるため、元本が保証されておらず、配当も約束されていません。事業者は第二種金融商品取引業の登録事業者や不動産特定共同事業の許可事業者である必要があります。